ボードゲームレビュー


トランス・アトランティック ☆☆☆☆☆☆☆

 世界の海を駆け巡る運送会社のオーナーとして様々な蒸気船を購入し、貨物や乗客などの輸送を行います。船を購入し、石炭を調達し、しっかり稼いで得点を獲得します。

トランス・アトランティック

 初期設定で4つの海にそれぞれ2隻の船を浮かべます。一番左のニューヨークの海には中立の船が1隻。これらの船が貨物や乗客を運びお金や得点の元になります。さらに船を買い、古い船は解体し、得点を稼ぎます。

トランス・アトランティック

 年代の古い船(実際に存在した船のようです)から順に市場に並びます。船は大きさ、貨物の積載量、乗客定員それぞれで、自分の目的にあった船を買いたいところ。よくあるパターンで、右の方ほど追加の金額が高くなります。その上には、手札を増やすカードが・・・、これは、コンコルディアの様に手札をうまく増やして構築していくタイプなのです。

トランス・アトランティック

 買った船は任意の海に浮かべます。どこの海に置くかも、その後の展開を考えて・・・。新しい船ほど上に置かれ、そのうち古い船はお役御免になっていきます。

トランス・アトランティック

 コンコルディアの様というのは、初期手札として8枚持っており、船を買うとか、石炭を取るとか、ある条件でお金を稼ぐとか。初期の帆船以外は、運行に石炭が必要、いざという時船に石炭が乗っていないと何の役にも立ちません。当然追加で手にい入るカードの方が強力なので早めに欲しいところですが、このゲームでは、新しいカードを入手するカードはなく、捨て札を手札に戻すときに新たに1枚手に入るルールになっています。

トランス・アトランティック

 だんだん世界の海が賑やかになっていきます。貴重な収入は、例えば”グローバル”のカードでは、各海域ごとに1隻ずつの船で輸送できて、カードの緑色の金額がもらえます。また、”海域”のカードなら、指定の1つの海域で全ての船が輸送されます。誰の船がどこにあるのか、海域に交易所があると得点にもなるし、船の色もあとあと大事だし・・・。

トランス・アトランティック

 各自プレーヤーシートを持っており、5色の船の色と対応しています。造船所からドッグに入っている船の色別の数やプレーヤーシートに置かれるチップの数で、自分の船がスクラップになったときや、最終得点計算で船ごとの得点が決まっていきます。

トランス・アトランティック

 最終場面。プレーヤーシートの海域にいる船や手元に残った船について、プレーヤーシートのチップの場所による得点と、左端に見えるドッグに置かれたカードの枚数による追加点などで船の得点を計算して最終得点計算です。

 プレーの基本は、コンコルディアの様なデッキビルド系。カードを1枚プレイしてアクションを行うだけです。カードの増やし方は先述の通り、手札回収時で、新しいカードを得た瞬間にそのアクションを行い、その後捨て札になります。なので、次のカード回収まで手札には入ってきません。5色の船をどう扱うか、手元のシートのチップの配置や、ドッグに置かれるカードの枚数が大きく得点に絡むので、どの船を買って配置するか悩ましさ満点です。カードの効果による収入もいろいろあるのでどの選択をしていくのか、場合によっては相手にも収入になるので、ここも考えどころです。実在の船のたくさんのカードも見応え十分でお勧めの一作。
※2018.6.24

トランス・アトランティック(Trans Atlantic) ゲームデータ

トランス・アトランティック
○デザイン  Mac Gerdts
○発  表 2017年
○メーカー  PD-Verlag
○2〜4人用 約90分
○難易度  やや重ぐらい
○SpielOffensiveで購入