ボードゲームレビュー


地獄の釜 ☆☆☆☆☆☆☆ 

 地獄の釜からお宝を取り出します。が,中には悪魔も潜んでいます。悪魔を出さずに高得点のチップを取り出したい。さらに,誰がいくらのお宝を取り出すか,賭け合って予想もしなくてはなりません。賭けに勝って稼ぐためには,的確な予想と大胆な攻めも必要です。

地獄の釜

 6人でのプレー。釜にチップを入れて混ぜます。各自120金を持ってスタート。このお金が所謂ポーカーで使うチップと同じ品質。無駄に重いというか,豪華すぎるというか,雰囲気は満点。その代わり高い!

地獄の釜

 ということで,数字の書かれた黒いチップを1枚1枚引いていって,自分でどこかでやめるか(成功),悪魔を引いて終わってしまうかというのが基本のプレー。そして,プレーヤーは,誰かが最高でどれだけチップを引けるか予想して賭けるのです。今自分は誰かが(自分でなくてもいいのです)110以上引くだろうということで110金を賭けました。

地獄の釜

 自分の手番には自分も黒いチップを引いていきます。悪魔を引いてしまったらおしまい。でなければ自分の賭けた値以上とりあえず引ければOK。ただし,他のプレーヤーが自分以上の値を賭けていたら,その値は越したくないのです。

地獄の釜

 で,得点はというと,賭けた値以上に誰かが引いていれば成功。掛け金が倍になって戻ってきます。さらに,自分が最高の値を賭けていて,それが成功していれば3倍になるのです。

地獄の釜

 釜の中のチップは引く度に少なくなり,悪魔のチップの数が9個なので,それまでの出方で確率も変わってきます。途中,釜の中に残りチップが完全に入るようなら,それまでのチップを戻して最初の数に戻ります。

地獄の釜

 誰かが持ち金1600を越えるとゲーム終了なので,だんだん賭けも熱くなります。自分が120賭けて自分で135出して賭は一応成功,このときに他の誰かがより多い値を賭けているなら,それを超してしまいたくないのですね。そのあたりの引きの運というか,大胆な勝負ができるかというか,みんなで盛り上がる要素です。

地獄の釜

 これで決めるかというところで,自分は悪魔を引いてしまって失敗しましたが,他のプレーヤーが自分の掛け金以上を引いて賭けに成功し,見事1600金を超えてゲーム終了。ぎりぎり20金超えただけでしたが,他のプレーヤーも追いつくことが出来ず,見事勝利を収めました。

 一番良いのは,自分が賭けた値より,多めにチップを引き,自分より高い値を賭けているプレーヤーの値を超さないようにすること。そうすると,3倍にはならないものの,より多くを賭けたプレーヤーに掛け金を失わせることができます。自分より低い値を賭けているプレーヤーも全員成功ですが,もらえる掛け金は自分には及ばないのでいいということ。最高の値を引いたらとか,最多の枚数引いたらとかで,ちょっとしたボーナスもあります。ただし,120と150の間にしたいと思っていても,高額なチップを引いてしまうこともあって,そうはうまくいかないものです。チップ引きに失敗しても,賭には参加しているので,意味のないラウンドはありません。ちょっと今までにない感覚の楽しいパーティゲームといった趣です。
※2014.1.12

地獄の釜(Auf Teufel Komm Raus) ゲームデータ

地獄の釜
○デザイン Tanja Engel / Sara Engel
○発  表 2013年
○メーカー Zoch Verlag
○2〜6人用 約40分
○難易度  やや軽め
○オークションで購入