ボードゲームレビュー


ストラスブルグ ☆☆☆☆☆☆☆☆ 

ストラスブルグの野心家として,ギルドへの影響力を高めよう。貴族や教会の力も必要です。

ストラスブルグ

3人でのプレー。ボードは上が議会の席。右がストラスブルグの都市。各ギルドが勢力を張っています。左がラウンドボード。左から右へ5ラウンド,それぞれ9フェイズから成っています。手元には影響点カードの山札と5枚から選んだ任務カード2枚。達成すると大きな勝利点,失敗すると−3点という難しい選択で2枚選びました。

ストラスブルグ

ラウンドのA〜Gまでは影響点カードを使った競り方式でアクションできるプレーヤーが決まります。Aは議会の貴族席と教会席の確保,確保すると後でいいことがあります。B,D,Fは,ギルドへの参加します。3人プレーでは上位2名が何らかのアクションができます。C,E,Gは商人としての争い。勝った者だけが商品を売却できます。Hは,Aで教会席を取った者が都市に礼拝堂を建て,Iは,貴族席を取った者が都市に新たな建物を建てます。ともに最後に勝利点にからむ大事なものです。

ストラスブルグ

さて,その影響点カードが悩ましいことこの上ありません。1〜6が4枚ずつの24枚のカードをシャッフルして山札として持ちます。なので出てくる順はランダムです。この24枚を使って5ラウンド×7フェイズ行います。つまり,全てのフェイズで使うことはもちろんできません。始めに捲りながらこのラウンドに使うカードを決めます。どのアクションを捨て,どこを重点にするか,毎ラウンド悩める瞬間です。そして,そのカードを自分が使う予定のフェイズ分の数に分けます。1枚でもいいし,何枚か組み合わせてもいいです。最初のラウンドはこの5枚,1と2の組み合わせとあとは1枚ずつの4カ所勝負にしました。

ストラスブルグ

Aで,1と2=3で,2位になり教会席を確保,貴族席はオレンジに取られました。Bの鍛冶屋ギルドは青がトップ,Cの商人はまだ始めでもあり,全員パス。Dの靴屋ギルドは6で1位を取りました。1位なると,そのギルドの議会の席を確保し,その商品タイル1枚ゲット,さらに都市のそのギルドに職人駒を置きます(費用必要)。手持ちの任務カードの内容も考えて駒を配置しました。なお,2位になると,駒の配置か商品タイルゲットのどちらかができます。

ストラスブルグ

Hのところで礼拝堂の配置です。Aの2位で教会の席を確保しているのでここに礼拝堂を設置。これで緑の駒は1点余分に入ります。ここまでで1ラウンド,最後に議会席の駒数分得点が入り,駒が多い者に特典タイルがもらえます。1ラウンド目は3人とも議席が同数でみんな特典タイルを得ました。特典タイルは,競りの時に1回分様子見のためのスルーができる優れものです。

ストラスブルグ

2・3ラウンドと同様に進み,任務カードの内容を加味しながら都市への駒の配置ができるようにしました。3ラウンド目は議会の議席もトップになり少しリードしています。ギルドの競りは2位でも1つアクションができるので小さい数字でうまく入り込めたときはラッキーです。4点の建物の上下,5点の建物の左に自分の駒があるのは大きいです。青は,3点の建物を囲んでしまいました。

ストラスブルグ

そんな感じで最後の5ラウンドまで終了。都市の駒数,建物や礼拝堂に関わる点数,残した特典タイルの点数に,任務カードの得点で計算。任務カードは,”都市の外周に駒6個以上で4点”と”5点の建物の回りに駒2個以上で6点”の2枚。

ストラスブルグ

得点チップを進め,見事この難局を乗り越え勝利を収めました。競りがある戦略的ゲームで勝てたのがとても久しぶりのような・・・。

フェルトらしいキツキツの展開に,頭を悩ます好ゲームです。手持ち24枚の影響点カードをゲーム全体5ラウンドに渡ってどのように配分していくか,競りに参加したけど,アクションができなかったカードは,1枚は山札の下に戻せますが,あまり影響はなさそうです。最初に何枚めくるか,それをいくつのスタックに分けるか,どこで使うか,的確な判断が求められます。5つのギルドのうち,1回のラウンドでは3つしか登場しないので,狙っているギルドがどのラウンドにあるのかも見ておかなくてはなりません(ラウンド順は毎回ランダムです)。任務カードの内容も重要,最初に5枚取って,そのうち1枚以上を残すので,可能なら5枚とも挑戦すればいいわけですが,さすがにそこまでは不可能。任務カードの達成が,全体の戦略にも大きく関わってきます。山札のめくりは運勝負ですが,そのカード運をいかに戦略上うまく使いこなすか,そこがワクワクどきどきの素晴らしい時間を過ごせる作品です。
※2011.8.31

ストラスブルグ(Strasbourg) ゲームデータ

ストラスブルグ
○デザイン Stefan Feld
○発  表 2011年
○メーカー Pegasus Spiele
○3〜5人用 約60分
○難易度  少し高め
○ドイツ・アマゾンで購入(約27ユーロ)