ボードゲームレビュー


リバーボート ☆☆☆☆☆☆☆☆

 ミシシッピ川のほとりにある農家として、農場に労働者を雇い、作物を育て、リバーボードで出荷します。

リバーボート

 中央には2枚のゲームボード、作物タイルを並べておきます。上部にはボートも用意。各自は農場があるボード。労働者などの初期資源を持ってゲームスタートです。

リバーボート

 1ラウンドは、5つのフェイズ。それぞれフェイズタイルがあり、スタートプレーヤーから順番にどのフェイズをトップにプレイするかを決めていきます。それぞれボーナスもあり、どのフェイズを先にプレイするか、結構プレイ順も関係するので悩ましいところです。

リバーボート

 最初のフェイズが開拓フェイズで、自分の農場にワーカーを配置します。トップを取ると、1人追加で好きな場所に配置できます。最初のプレーヤーが8枚のカードを捲り、それに合わせて各自ワーカーを配置。ここで1コイン使うと条件の無視して空くな場所に配置できます。これもいざという時には強い。ただしお金は超カツカツ。

リバーボート

 第2フェイズは作物の植え付け。ボード上にあるタイルを取って配置したワーカーの下に当てはめていきます。ここで、どの作物を育てるのか。互いの状況を見ながらできるだけ同じ作物は多めに集めておきたいので、タイルの取り合いも熾烈。ここでも1コイン使うと3ヘクスの大タイル以外は山札から選んで配置できるので強い。

リバーボート

 第3フェイズは収穫と出荷。植え付けてある作物を1種類選んでボートを使って出荷します。最大7つまで出荷でき、それぞれ出荷するボードにはボーナスがあります。このボーナスも貴重で、いくつ出荷するか難しいところ。ここでも1コイン使うと、既に取られたボートでも山札から取って使うことができます。やはり強い。

リバーボート

 第4フェイズは機会カードの獲得。これらは、第5フェイズで得点化できるもので、自分の状況に応じて高得点が狙えそうなカードが欲しいところ。選んだカードの場所に応じたボーナスもあり、時には人の高得点をつぶすために確保しておきたいカードもあります。ここでも1コイン使えば、まだ出ていない山札から選んで取れます。そして、第5フェイズで緑色の技師コマを使って、取ったカードやボード上の小屋や井戸を使った得点計算が2回まで(最後は3回まで)できます。また、中央の白いコマの集まりは、ニューオーリンズへ派遣されたエージェント。自分の労働者駒を派遣して(=農場で使える数は減る)、毎ラウンド得点となるし、最後は多数順に大きな得点にもなるので、そのバランスも難しいです。

リバーボート

 そんなラウンドを4回繰り返して終了ですが、ここでもう一つ大事なのがこの黄色い監督官。上に並んでいるリバーボートの下の数字が得点源なものの、この監督官が達したところまでしか、得点源にならないし、何より監督官が最も進んでいるプレーヤのみ、合計点そのままもらえるものの、他は半分にされてしまいます。とはいえ、それでトップが確定するほどでもないのがまたバランスの良いところ。

リバーボート

 機会カードによる得点の他には、自分のボードに置いた小屋の周りのタイルの数とか、井戸から続くタイルの数とか、同じマークの農地を全て埋めたらとか、様々あります。緑の技師は一度使ったそれきりなので、どこで使うか、1ゲーム中全部得点使うと9回得点計算できる勘定ですが、技師コマも貴重で、多少低い得点で最初から使うには勇気もいります。

 やることは、分かりやすくて、プレーヤーごとの狙いも見えてくるので熱い駆け引きも楽しめるお勧めの一作。作物の取り合い、ボートの取り合い、機会カードの取り合いと早い者勝ちを、どのフェイズを先に取るかで大きく変わってきます。そこで常に重要なのがコイン。コインさえあればホントに強い!ただし、もちろんコインを得るチャンスはそんなにはないので、絶対ここでというところで有効に使わないといけません。また、緑の技師コマも確実に集めないと、せっかくの得点チャンスも無意味。ニューオーリンズへ派遣されるエージェントの得点も毎ラウンド加算されるので結構馬鹿になりません。開拓から出荷というメインの流れとそれらをいかにうまくかみ合わせるか、ゲーマーズゲームとして素晴らしいできです。
※2018.7.12

リバーボート(Riverboat) ゲームデータ

リバーボート
○デザイン Michael Kiesling
○発  表 2017年
○メーカー  Lookout Games
○2〜4人用 約90分
○難易度  やや重め
○SpielOffensiveで購入