ボードゲームレビュー


レス・パブリカ ☆☆☆☆☆☆ 

様々な民族が,新たな定住地を求めてヨーロッパじゅうを移動しています。民族は,交易によって集まり村を作り、文明の発達を促進します。すぐに都市ができ,文化の発展の中心となります。より早いほどよいのです。

レス・パブリカ

最初は民族カード4枚。場には民族カードの山札と文明カードの山札。それから得点カードの山札を用意。同じ民族や文明カードをそろえて,得点カードを確保するのが目的。

レス・パブリカ

民族はこの3種類以外にあと2種類と特別なモンクがいます。まずは,同じ民族を5枚集めないと先に進めませんが,この集め方がこのゲームの特徴で,交渉によって集めるのです。その交渉もいろいろ制限がありますが,基本は「欲しいカードを言うだけ(2種類まで)」または「渡すカードを言うだけ」で,それに対して他のプレーヤーも応じるのです。言い直しや条件の変更はできません。まあ,最初はカードも少ないし,交渉もうまくいかず。交渉できてもできなくても手番の終わりには1枚カードの補充ができます。

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交渉が成立してうまく民族カードが5枚貯まると,場に出して定住地カード(3点分)をもらえます。そして,定住地ができると,文明カードを引くことができるようになるのです。

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この青いのが文明カードで,これも5種類と特別な書物があります。文明カードは5枚集めて出すと,都市がもらえ,得点が早い者勝ちで高くなっています。これは造船のカード,これを5枚にするか,どうするか。この状態だと,最後に民族1枚,文明1枚を引けます。

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文明より先に,フン族も5枚集まり定住地をもう一カ所確保。これで,最後に民族1枚,文明2枚カードを引けます。最後に引けるカードは最大3枚なので,これ以上定住地が来た場合は,文明3枚か,民族1枚文明2枚引けることに。

レス・パブリカ

文明5枚集まる前に,運良く書物2枚手に入りました。これは,2枚で,図書館が手に入り,図書館があると,文明カード4枚で出すことができるようになります。

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図書館の恩恵もあり,4枚で次々文明カードをオープン,都市の9点8点と確保です。

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さらにランゴバルト族も定住地を確保し,優位に発展していきました。手持ちの文明カードがばらばらですが,互いの交渉でうまくまとめていきます。そして,民族カードがなくなると最終手番を行ってゲーム終了になります。

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そして,集めた得点と手札に残ったカードは2枚組で1点ずつを追加して勝負,多くの民族と文明を発展させて見事勝利を得ることができました。

カードを集めて出して得点を得るというのが基本の,よくある得点形式のカードゲームですが,集めるのが交渉をメインとしているところがおもしろく,互いの声の掛け合いが楽しい作品です。序盤こそ,手札も少なく交渉もうまくいきませんが,だんだん増えてくると,互いの駆け引きで交渉の中身に熱が入ります。交渉の言い直しや変更ができないので,欲しいかあげるか,種類は枚数はなど,いろいろ悩ましさもあります。文明カードにたどり着くまでに一段階あるのもアクセントになっています。ただ,この新版では図書館というカードが入っていますが,今回自分も使ってみて相当強力な印象を受けました。やはり5枚が4枚で済むのは強すぎるような気もします。今度は,オリジナルの形でプレーしてみようと思います。
※2012.5.22

レス・パブリカ(Res Publica) ゲームデータ

レス・パブリカ
○デザイン Reiner Knizia
○発  表 1991年(これは2011年の新版)
○メーカー Queen Games
○3〜5人用 約30分
○難易度  中ぐらい
○Spiele Offensiveで購入(約20ユーロ)