ボードゲームレビュー


パスティーシュ ☆☆☆☆☆☆☆☆ 

絵の具をうまく作り,種類をそろえて世界の有名画家の名画を複製しましょう。複雑な色を使う絵ほど得点が高いです。

パスティーシュ

セットアップはこんな感じ。右のボードが絵の具置き場。スタートタイルは三角に六角タイルが並んだところ。ここに手持ちのタイルを繋いで絵の具を手に入れます。中央に並んでいる絵画は美術館の展示品として。

パスティーシュ

絵の具のカードを置くボードが無駄に大きいです。はっきり言って相当邪魔。日本の住宅事情には優しくないです。ボードなしで適当に並べて置いてもOK。

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ヘックスのタイルを置いて,つながった色の組み合わせで絵の具をもらいます。ここでは,オレンジとティールとヴァイオレット。また,そのままでは手に入らない黒や白は同じ色3枚で交換とか,その他特定の組み合わせでのみ手に入る絵の具や原色は手に入れるのが難しいなど,色によってある程度の難易度の差があり,それが点数にも関係しています。

パスティーシュ

手札として依頼の絵画2枚を持っており,必要な絵の具が描かれているのでその絵の具を集めると依頼が達成でき,得点となります。また,中央の美術館の作品の複製を作成しても得点になります。

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必要な15点分の絵の具が集まり依頼を達成しました。この絵はフランツ・マルクという画家の作品。同じ画家の作品が複数あるとボーナス点にもなります。

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タイルの配置や交換による絵の具の獲得を繰り返し,さらに,交渉による絵の具の交換もできるので,互いの駆け引きが交錯しながら,複製画の制作を進めます。3人プレーでは,見えている点数が40点になったら,そのラウンドの最後のプレーヤーまで行ってゲーム終了です。

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自分が3つ目の依頼を達成して40点を超えましたが,自分がスタートプレーヤーなのであと2人最後まで行います。中央はゴッホの,右はエルグレコの作品。

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最終計算は,同じ画家の絵の枚数のボーナス点と,依頼作成途中の絵の具の点が加算されます。今回,40点超えで勝ったと思ったら,最後に1枚作成されてしまい,1点差で抜かれてしまいました。残念!って最近全然勝てません・・・(ノд-。)

 必要な絵の具を集めて依頼を達成する,システムとしては簡単でよくありそうな感じですが,テーマと雰囲気が楽しい作品です。何と言っても34枚ある名画を見るだけでも楽しいですね。絵画の世界は全く不得手ですので知らない作家や絵画もあり,それを眺めているのも楽しいです。
 絵の具の手の入れ方が,タイルの配置だけではなく,交換などによらなければならないの色があるのもアクセントとして効いています。ただ,組み合わせが複雑でシートを確認しながらでないと分からないことが多く,少しテンポが悪くなります。達成した絵画の得点はオープンになっているので相手の状況はある程度読めますが,最後に達成途中の分も絵の具の点数が入るので,場合によっては結構な加算にもなり,安心はできません。(全く)。
 やたら大きいパレットのボードを始め,絵画のタイルも分厚くて重厚,箱の作りもかなりしっかりしていてずっしりと重みを感じます。ルールは簡単ですが,どうやって必要な絵の具を手に入れるか,ヘックスタイルの置き方や交換の妙に悩ましく,交渉で駆け引きも楽しめる佳作といったところでしょうか。自分は,結構なお気に入りの仲間入りです。
※2011.5

パスティーシュ(Pastiche) ゲームデータ

パスティーシュ
○デザイン Sean D. MacDonald
○発  表 2011年
○メーカー Gryphon Games
○2〜4人用 約45分
○難易度  中ぐらい
○ゲームストアバネストで購入