ボードゲームレビュー


オアシス ☆☆☆☆☆☆☆☆ 

モンゴル民族のリーダーとなってゴビ砂漠での勢力拡大を目指しましょう。ステップを探し,井戸を掘り,聖なる石のオボーをつくり,ラクダの商隊で荷物を運び勝利点を獲得しよう。

オアシス

ゴビ砂漠のボードに,自分の駒4つとラクダ駒20個,カードを5枚持ってスタート。3人でのプレーです。カードは表を見ないで5枚重ねて山にします。

オアシス

このゲームではカードの扱いがおもしろいです。まず,捲ったカードは自分のものには原則なりません。相手に取ってもらうカードになります。1枚めくって終わりでもよし,最大3枚まで捲って提示することができます。ここでは,岩石砂漠1のカードと,ステップ2のカードを提示して終了。全員同様にします。

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カードはどうなるかというと,1のチップを持っているプレーヤーが残り2人のカードを見て欲しい方を選び自分の前に置くのです。代わりに1のチップを渡します。互いにそれを繰り返すのです。最後の3の手番に,自分のしかなければそれを取りますが,まず相手のがあればそれを持って行かなくてはなりません。ここでは,この2枚のカードを1のチップのプレーヤーが取りに来てそのチップを受け取ります。で,次は1番手となれます。

オアシス

新たな1のチップを持ったプレーヤーから取ったカードのアクションをします。地形タイルを置いて勢力を拡大するか,ラクダを置いて隊商を拡大するか,商品などを取って自分のものとするかです。ラクダの道が取り合いになっています。青は岩石砂漠を黒はステップの地域の勢力を取ろうとしています。

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次の手番を早くするためには,相手が欲しくなるようなカードがあるといいのですが,3枚捲ったら持って行ってくれました。3のチップもそっちへ行きます。

オアシス

いろいろな場所で少しずつ勢力争いを始めていきます。互いの地域が近づきあって広げさせないようにしています。

オアシス

互いに接近しあうと,シビアな戦いに。ラクダが置ける場所は決まっていて,中央に固まっていて反対方向へは進めなくなっています。カードはオボー2個とカード3枚追加できるもの。結構いいカードです。

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ラクダの道が賑やかです。土地のタイルもかなり詰まってきました。最後の得点計算ではつながっているタイルの面積(合計)や一番たくさんつながっているラクダの数をそれに応じた品物のタイルの数でかけ算した数値になるので,それぞれバランス良く集めておきたいところです。

オアシス

結果,オアシスだけは少なかったですが,他をしっかり集めて大きな得点となり見事勝利しました。

独特のカードのやりとりが悩ましい,陣取りゲームの傑作です。自分の山のカードは,結局他人に渡るもの。良いカードは渡したくないけど,けちってばかりでは手番が先にできないのが苦しくなり,時にはおいしいえさで手番を引き寄せることも必要です。陣取りなので,先に置ける方が基本有利ですから,手番順の見極めは重要です。また,得点計算が対応する2種類のもののかけ算なのも悩ましさを深めます。草原タイル数×オアシス数といった具合なので,片方が小さいと得点は伸びません。カード運とカードの選び方,手番順,自分の陣地の取り方など楽しく悩んで,時間も手頃な好ゲームです。
※2011.5

オアシス(Oasis) ゲームデータ

オアシス
○デザイン Alan R. Moon / Aaron Weissblum
○発  表 2004年
○メーカー Uberplay
○3〜5人用 約60分
○難易度  中ぐらい
○オークションで購入