ボードゲームレビュー


ノーティカス ☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 様々な大きさの船を建造し、品物を搬送して得点を稼ぎます。船は船倉とマストタイルを組み合わせなくてはならないので結構大変そうです。2人でのプレー。

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 2人だと4ラウンドまでです(3,4人だと5ラウンド)。それだけでいったいどれだけのことができるのでしょうか。毎ラウンド最大7アクションできますが,何かとキツキツなのでアクションの選択がとても大事です。アクション選択のボードに自分の倉庫ボード,あとは細かいパーツなどを準備してスタートです。

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 手番順に8つあるアクションから一つを選んで実行していきますが,プエルトリコなどにあったように,手番の人だけでなく,全員が同じアクションをしていきます。手番の人には何かしらのご褒美があるというシステム。この特典も悩ましく,アクションを示すタイルの位置も毎ラウンド変わるので,特典もその都度対応するものが変わり,どれを選ぶかホントに大変!

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 とにかく船を完成しないと始まらないのですが,小さい船では最後の点数もしれているので,大きな船も欲しいところ。しかし建造は時間がかかる。船ができると完成ボーナス(これがなかなか重要というか欲しいものばかり)があるので,さっと小さい船も作っておきたいし。船ができていないと商品も運べないしと,何をするにもきつさに悶えます。

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 ただで手に入れた部品や直ぐに使えない部品はいったん倉庫へいれないといけません。倉庫から移動するのもアクション。アクションには労働者駒が必要なのに,駒は常に不足気味。船の部品は結構お金がはるのに,ほとんど収入のチャンスはごく僅か。

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 さらに厳しさに追い打ちをかけるのが減点システム。ラウンド中7回のアクションを全て行ったとすると,何と6点の減点!パスをする都度,減点が減っていき3回パスすれば減点無しですが,3回もパスしていては何も進みません・・・。1回,できて2回パスして減点を少し回避するぐらいしかできませんでした。

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 船倉一カ所に一個商品を積めますが,船が完成しないと商品は運べません。この商品,同じ種類をたくさん運ぶ方が得点がぐーんと上がるシステム。しかし同じ商品を一度に買うのはお金が・・・。

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 最終ラウンド,何とか3隻の船を完成。完成したボーナスは船のマスト数だけもらえるので,大きな船を作ると随分収入になります。船ができたときのボーナスで何を選んでどう使うか,このボーナスは自分を助ける貴重な収入です。ここまで来るのが大変ですが。後は商品をできる限り運びたい。

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 ぎりぎり全ての商品も運ぶことができ,ゲームセット。船の数では同じだったものの,商品の差で離され敗退・・・。

  これはキツくて厳しいやりくりを楽しむ作品です。全く余裕のない労働者駒とお金の使い方を間違えると,思い切り手が遅れます。船を作って商品積んで,運んでと,雰囲気は抜群ですが,緻密な計画と無駄のないやりくりが必須の厳しいゲームです。あと,ゲーム中一回だけ,好きなアクションを追加手番として連続でできるので,その計画も忘れてはいけません。たぶん何度かプレーすることによって,だんだん効率の良いプランで進めていけるようになるんでしょうね。後日3人でプレーしたら,やはりもう1ラウンドあるので,船の数も増やすことができ,全体の流れもこのプレイよりうまくいった気がします。
※2014.6.21

ノーティカス(Nauticus) ゲームデータ

ノーティカス
○デザイン Michael Kiesling/Wolfgang Kramer
○発  表 2013年
○メーカー KOSMOS
○2〜4人用 約90分
○難易度  やや高め
○ドイツ・アマゾンで購入