ボードゲームレビュー


メルカトル ☆☆☆☆☆☆☆☆ 

時は三十年戦争中のヨーロッパ,商人となってヨーロッパ中を渡り歩き,商品を集め,配達します。最高の契約を手に入れ,より裕福な商人の座を目指してがんばろう。

メルカトル

ボードの様子。細かなコマやたくさんのカードもあって複雑そうです。商品となるコマを入れる箱がボードにセットできるのは秀逸のアイデアです。他のゲームでも取り入れてくれるとうれしいのですが。

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さて,最初は2〜4の低い契約カード3枚と,おまけの商品が手に入るボーナスカード2枚でスタート。契約を達成することにより,より価値の高い契約を手に入れいていくことが大きな目標となります。

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ヨーロッパ各地では,その地域の特産物が生産されています。まずはどこかへ飛んで,その商品を獲得します。白いトークンで行き先を指定し,そこの品物を全て手に入れ,自分の倉庫に保管します。ここでは,ロシアへ行ってハムと魚油を手に入れました。そのとき,隣接する地域では商品が増えます。こうして,各地で集めた商品を,契約カードについている都市へ行って今度は配達することで契約の履行となります。

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ここでは,デンマークへ行って柑橘類と香辛料を配達完了。この契約レベルは4なので,次の5の契約を入手することができます。この契約レベルは最後,そのまま勝利点となるので,少しでも高い契約になるように進めていかなくてはなりません。

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今手元にあるのはこの2枚の契約書。手番の最初に契約を売却することもできます。売却しないとお金は一切入らず,勝利点につながる建物カードや商品を余分にもらえるボーナスカードを買うことができません。

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ここに並んでいるのが建物カード。例えば7個以上の武器となる商品コマを持っていれば5点とかボーナスカード1枚につき1点とか・・・。自分の商品の状況に応じて必要なカードも手に入れておきたいところです。その上のトークンは時間トークン。各地を移動する度にトークンを得たり使ったりします。また,これを使うと他のプレーヤーの移動に同行して契約の履行やボーナスカードの商品をゲットすることもできるのです。

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これがボーナスカード。その地域へいく毎に表示の商品を2個得ます。誰かに同行しても1個は得ます。カードを売ったお金が9ターラー,まだ良い建物を買うには足りないのがつらいところ。カードをあまり売ってしまうと契約履行できるチャンスが減ってしまいます。

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さて,ゲームも終盤,今は5枚の契約カードが並んでいます。すでに9のカードもあります。通常契約の最大は10,10を履行すると14のカードがもらえ,ゲームの終了条件となります。また,奥に見える時間トークンも残り2個,これがなくなるのも終了条件です。

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結局時間トークンがなくなり最終1ラウンド終えてゲーム終了。契約カードの得点は39あり,トップでしたが,建物カードがうまくいかず合計44に留まり,左が建物カードの得点をうまく重ねて57点で勝利しました。またまた敗退って弱すぎ??

商品集めてせっせと配達。商人の駆け引きを楽しむ,まさにお買い物ゲーム。ただし,勝利を得るための条件がすこし変わっていて,契約カードをどんどん高い物に更新していくことが大事です。しかしそれだけでは勝つには十分でなく,効果的な建物カードを購入し,その得点を稼ぐための戦略も必要です。(契約カードは5枚までしか持っておくことができません。)また,ボーナスカードや時間トークンの使い方も考えなくてはいけません。(お金は15ターラーまでしか持っておくことができません。)勝利のためには,いろいろな条件を総合的に考えて,幅の広い計画性が求められます。それだけいろいろやりたいことはあるわけですが,お金も時間トークンもきついので,売るか売らぬか,どこへ行こうか,常に悩みどころたくさんの濃密な時間を過ごすことができる作品です。
※2011.7.7

メルカトル(Merkator) ゲームデータ

メルカトル
○デザイン Uwe Rosenberg
○発  表 2010年
○メーカー Lookout Games
○1〜4人用 約90分
○難易度  やや高め
○ドイツ・アマゾンで購入(約28.5ユーロ)