ボードゲームレビュー


カルカソンヌ・メイフラワー ☆☆☆☆☆☆☆ 

カルカソンヌの姉妹盤,アメリカ東海岸を起点に西へ西へと開拓をしていきます。ゲームの手順は,本家のカルカソンヌといっしょ。測量士たる駒の扱いがあり,ゲーム展開に大きく影響します。

メイフラワー

2人でのプレー。カルカソンヌは2人でも十分に楽しいのがいいですね。このカルカソンヌは出発点は東側一列のどこかからです。ひたすら西へ西へと広げていきます。写真は反対から撮っているので左から右向きになっています。

メイフラワー

基本のルールはかわりません。街ができれば2点,イギリスの旗があれば+2点です。道が完成すれば1点,途中に宿屋があれば+2点,草原は狩猟用になっていて,最後に動物の絵の数だけの得点で,本家より分かりやすいです。スタートが何カ所もあるので,あちこちから広がっていきます。

メイフラワー

このカルカソンヌのポイントが白い測量士の駒,手前と向こうで張っています。かれらは街や道が完成して得点を獲得すると待ってましたと移動します。ぐるりと囲んだ4マスの道が完成し,4点ですが,そのときより東にいる測量士が西へ(右へ)1マス動きます。

メイフラワー

海岸から伸びている街が完成,普通なら街と旗の得点だけですが,測量士がいるライン上に駒をおいて完成させると4点追加されるのです。これは結構大きい。

メイフラワー

ですが,測量士もいいことばかりではありません。得点の度にどんどん西へ移動し,自分が置いたコマが追い抜かされてしまうと,草原に寝かせた猟師の駒以外は即撤去なのです。もちろん無得点。ここも,下の街を何とかしようと思う間もなく抜かされて撤収です。これを考えるとあまり大きな街や道を狙っていくのは危険な賭でもあります。

メイフラワー

手前の街もふさがらず,右の街も歯抜けのまま,結局測量士が先に行き,これらは撤収になってしまいました。元祖の修道院,ここでは農場ですが,とてもまわり8カ所囲むのは厳しいです。自分は急がずにいきたくても,妨害したい相手は小さな都市などを造って邪魔してくるのです。

メイフラワー

そしてタイルがなくなりゲーム終了。寝ている猟師以外はみんな撤去されていくので殺風景なものです。最後,猟師の分の得点=動物の数を足して争いましたが,6点差で逆転負け。後半ちまちまと小さな街の得点でつぶされていったのがいたかたったです。

カルカソンヌシリーズの1つですが,西部を目指すアメリカの雰囲気を醸し出している佳作といったところでしょう。基準が決まっているので土地が伸びていく方向に制約があります。また,2個の測量士の動きが,街作りや道作りの行動に焦りをもたらします。それがいいのか悪いのか,巨大な街や長ーーーい道を造るのはほぼ不可能(当然大きな街をつくられたくない相手が小さく得点し測量士を移動させてしまいます)なのが,かえって良いところもあるのかもしれません。好みかなぁ・・・。あと,草原に寝かせる猟師は,測量士の動きに左右されないので,草原の取り合いが結構活発で重要になるのが本家と違った趣です。
※2011.12.13

カルカソンヌ・メイフラワー(Carcassonne Mayflower) ゲームデータ

メイフラワー
○デザイン Klaus-Jürgen Wrede
○発  表 2008年
○メーカー Hans Im Glück
○2〜5人用 約45分
○難易度  やや軽め
○オークションで購入