ボードゲームレビュー


イノベーション ☆☆☆☆☆☆☆ 

 プレイヤーはそれぞれ自分の文明を、10の時代に分かれた技術革新カードを駆使して発展させていきます。ゲームの目的は、時代や文明分野を規程の回数だけ『時代』や文化の『分野』を『制覇』すること。偉大な功績を歴史に残した文明こそが、人類社会の勝者となるのです。 そのためには、先史時代の『車輪』や『陶器』、『牧畜』などに始まり、『哲学』、『紙』、『火薬』、『蒸気機関』、『缶詰』、『鉄道』、『飛行機』、『抗生物質』、『核分裂』、『コンピューター』、果ては『インターネット』などなど、各時代に多大な影響を与えた様々なイノベーションを駆使して、自分の文明が与えた『影響』を貯めていかなければなりません。

イノベーション

古代のカードを1枚手札,1枚,場に出してスタート。手番にできることはカードを引くか,場に出すか,場のカードを使うか,時代を制覇するか,から2アクション。時代の制覇が勝利条件で,ある程度カードを場に出し,得点を重ねていくと制覇できるようになっています。

イノベーション

カードには細かくテキストが書かれていて,場に出ている資源の数で,相手に無理な要求をしたり,自分だけでなく相手も利してしまったりと,このテキストを解読しながら進めていくのが,慣れるまではちょっと大変。

イノベーション

カードの効果で,こんな風にある方向にカードをずらして置くことも可能。こうすると手持ちの資源が多くなるわけです。またカードには5色あり,それぞれ色別の山を作っていきます。カードの効果を使うときには,場にある資源の数が重要になってきます。

イノベーション

自分のボードの左側に重ねていくのが得点したカード。このカードの得点によって時代の制覇ができるようになるのですが,すでに相手は10枚近く得点を重ね,2つの時代を制覇しており,かなり差がついている状況。

イノベーション

その後,カードの派手な効果もあり,得点を伸ばしてようやく4と5の時代を制覇。制覇した時代は右側に重ねていきます。2人プレーでは6枚制覇した方が勝ち。相手はもう4枚制覇しています。

イノベーション

時代の制覇以外に,特定の条件を達成すると文化の制覇もでき,それで”科学”を制覇して3枚目を達成しましたが,相手はもう5枚。カードの効果でばんばん得点できる状況になっており,もう追撃は難しい状態でした。

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結局そのまま押し切られ,9と10の時代に進む前に勝ちを持って行かれました。強烈な効果に参った!

ゲームを始める前は,細かいテキストが複雑に絡んで,緻密な難しいものかと思っていたのですが,始まってみると,そのカードの効果の派手なこと!場に出ている資源2個につき1枚のカードを得点できるという効果でガンガン得点され,自分はその資源が少ないので何の恩恵もなく,いいようにやられてしまいました。この後2回目をプレーしたときは,互いに相手の得点カードを削るような効果の応酬で,前半こそゆったり進んだものも,後半は得点も大きくなるので一気に加点・制覇され連敗をきしてしまいました。当初の予想とは全く違った,豪快で派手な効果の応酬で時代が加速度的に進んでいく激しいゲームでした。その分ちょっと大味で大雑把と言えないこともありませんが・・・。細かいテキストを把握するのと,実に分かりづらい独特の用語に慣れるのが最初大変ですが,完全日本語版となり,質の良いコンポーネントとデザインは持っていて損はない作品です。
※2012.10.6

イノベーション(Innovation) ゲームデータ

イノベーション
○デザイン Carl Chudyk
○発  表 2010年(これは2012年の改訂版)
○メーカー ELLO(日本語版HobbyJapan)
○2〜4人用 約60分
○難易度  中ぐらい
○アマゾンで購入