ボードゲームレビュー


ハンザ ☆☆☆☆☆☆☆☆ 

14世紀のハンザ都市の盟主の座を競いあいます。バルト海を交易船が走り回り、さまざまな商品を獲得しようとします。そのためには,都市に商館を作らなければなりません。最も多くの支店を持ち,商品の売却で最も大きな利益を得た者が盟主となるのです。

ハンザ

北欧のバルト海周辺を表した地図のボード。渋い配色です。主要な都市と航路(方向が決まっている)が描かれています。各都市に商品のタイルを番号順に置き,各自最初の商館(2階建て)を3つの都市に設立します。船はコペンハーゲンが最初の位置。3人でのプレーで,自分は白ですが,さてどうなるか?

ハンザ

基本的な流れは,各都市で商品を手に入れたら,それを使って,都市に商館を建てていく,または,その商館を一階分つぶして,同じ種類の商品を2枚以上自分で確保していくということがメインです。最終的に得点となるのは,その確保した商品や設置してある商館の数などいろいろ多義に渡っているのでなかなか悩みます。船を移動するのに1金,商品を取るのにも1金(自分が最も高い商館を持っていれば無料)。2カ所ほど都市を周り,赤と緑の商品を確保。お金と商品の持ち越しはともに3枚までなので有効に使っていかないといけないのです。

ハンザ

手持ちの商品タイルを1枚捨てて,そこにある樽の数だけ,都市に商館を建築できます。遠くにある(ぼけてますが)ストックホルムに商館1階分を建築。商館があると,商品の売却=高得点獲得ができるようになり,商館それ自体も点数になります。

ハンザ

こうして同じ種類の商品が2枚以上あれば,それを裏返しにして自分の前に確保し,売却することができます。最後に商品の樽の数+1点が得点になるので,これが最も大きな得点源です。購入したら自分の商館1階分取り壊し回収します。また,同じ色の商品を他のプレーヤーが持っていると1枚失わなくてはならないので,結構重要なポイントです。

ハンザ

こうして船を移動させますが,矢印で向きが決まっているので,やりたいことをいろいろ考えながらアクションの進め方を工夫していくところがおもしろいですね。お金のある限りどれだけでもアクションはできます。自分は商館もあちこちに建設し,幾分優位に進めているかなと思っていますが・・・。また,都市に置く商品も,手番に最初に1金払うと全ての都市に商品が補充されることになっています。これもどこで1金使って補充するか,後のプレーヤーに有利にならないようなことも考えないといけません。

ハンザ

確保した商品もかなり増え,都市の商館も増えてきました。高さでは負けている都市もありますが,まあある程度は仕方ないでしょう。特に今回は,基本の得点計算だけでなく,直ぐに追加された拡張の得点計算も加えてのゲームにしています。商館の数,高さ,1個樽の商品を売った数なども加味されています。

ハンザ

補充の商品タイルの山も最後になり,この山に手をつけたらラストラウンドです。商館の数では自分が勝り,高さでは灰色が有利なようです。あとは売却タイルの得点次第といったところですが・・・。

ハンザ

結果,結構な接戦となりましたが,売却した樽の数や1樽を売った枚数での得点などで突き放し,見事勝利を収め,ハンザ同盟での地位を確立したのでした。

プレイする内容の自由度が高く,お金のあるだけいろいろなアクションができるので,工夫とやりがいのあるゲームの一つです。拡張の得点要素を追加しているので,商館の数や高さも競い合うことになります(基本ルールだけだと,誰もが商館の数分の規定の得点が入り,多さや高さによるアドバンテージはない)。それによっていっそう戦略性も高まり,悩ましさも増えます。いろいろ考えて進み出したものの,「やっぱりやめて・・・」などと言う場面もあり,ちょっとダウンタイムが長くなる傾向もありますが,それでも1時間程度で収束していくのでよくまとまっていると思います。あまり見ないようなタイプの貴重な作品かな。必携。
※2012.8.12

ハンザ(Hansa) ゲームデータ

ハンザ
○デザイン Michael Schacht
○発  表 2004年
○メーカー ABACUSSPIELE
○2〜4人用 約60分
○難易度  中ぐらい
○ドイツアマゾンで購入(約16ユーロ)