ボードゲームレビュー


 グラス・ロード ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

18世紀のドイツ・バイエルン地方を舞台に,ガラス工芸品の職人たちが住む町で、さまざまな効果をもつ建物を建設し,より高い得点を獲得することを目指します。3人でのプレイ。

グラスロード

 各自自分の土地ボードと資源管理用のボードを持ち,中央に,建てていくことになるタイルを準備。さらに,全員が同じ構成の15枚の職人カード=アクション・カードを持ちます。

グラスロード

 建物は資源交換用,即時効果用,最終得点計算用の3種類,たくさんありますが,1ゲームに登場するのは限られています。これらの建物をいかに効率よく資源を回して建てていけるか,何回やっても難しいのです。

グラスロード

 特徴的なのがこの資源管理ボード,上がガラス生産用,下がレンガ生産用。ガラスやレンガを生産できる資源がたまると,自動的(強制的)にガラスやレンガが生み出されます。そして資源が1個ずつ減ります。それがいいやら悪いやら・・・。このシステムはさすが!

グラスロード

 毎ラウンド5枚のカードを選び,1枚ずつ手元に伏せて置き,それを公開しながらアクションを進めます。公開したカードをだれかが手札に持っていると,その人もそのアクションの一つができます。だれも持っていなければ公開したプレーヤーは2つのアクションができますが,誰か持っていると一つしかできません。その仕組みも良くできています。

グラスロード

 わずか4ラウンドしかありません。その間に資源を集め,建物を建てるのはかなりキツイ。カードを伏せるのは3回なので,1ラウンドでの最高のパターンは,自分が伏せたカードは誰も手札になくて3枚とも2つずつアクションでき,人が伏せたカードは手札に持っていて,2枚分が1アクションずつできるパターン。まあ,はっきりってそんなことはまずありませんから,かぶることも想定しながらの緻密な戦略が求められるところでもあります。

グラスロード

 青い資源交換用建物の効果や最終得点用の建物の効果をうまく組み合わせることができると強いのでしょうが,そうはうまくあてはまる建物が場に出ているわけでも無く,あまりあからさまだと邪魔されるし,このあたりはプレイするたびに,なかなか違った展開になって飽きません。

グラスロード

 結局今回は,ガラスが一つ3点や,土地の組み合わせの点数を中心に頑張ったものの,他がどうしようもなくなってしまい(粘土をもっと集めておくつもりが使ってしまった),後の2人に3点ぐらい足りずに敗退。うーーん。

 重厚なアグリコラやカヴェルナなどと比べると,カードをプレイして資源を集め建物を建てると言うことに特化しているので,非常に分かりやすく,しかも短時間で楽しめる素晴らしい一作。場に出てくる建物タイルは,全部の枚数からすれば極わずか,なので,常にその場に応じた作戦を練ってがんばらねばなりません。資源ボードの仕組みの面白さ,プレイするカードのバッティングの面白さなど,重すぎるゲームを敬遠する人たちにも十分に楽しめる傑作です。自分は良くて23点ぐらいまで,悪いと16点とかで終わってしまいます。リプレイ数の多い一つです。
※2015.5.9

グラス・ロード(Glass Road) ゲームデータ

グラスロード
○デザイン Uwe Rosenberg
○発  表 2013年
○メーカー Feuerland Spiele(日本語版テンデイズ
○2〜4人用 約60分
○難易度  中ぐらい
○ロール&ロールステイションで購入