ボードゲームレビュー


フィンカ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

ここは果物豊かな南国マジョルカ島。その島の農家となって,たくさんの果物を収穫し,集会場へ運びましょう。より多くの果物を配達し,ボーナスを獲得して,島一番の果物農家となりましょう。

フィンカ

4人でのプレイ。ボードに果物を実らせる羽根や配達タイルなどをランダムに設置。羽根の上に農民駒を3個ずつ置き,初期の果物をもらったらゲームスタート。手番順に自分の農民駒1個を時計回りに移動させます。雰囲気はロンデルシステムの様ですが,内容は違います。

フィンカ

駒の移動は,駒がいる位置にある全コマ数分を進み,着いた先の全コマ数分の果物を収穫します。果物駒が,それぞれ良くできていて見ているだけでも楽しいです。イチジクだけちょっと違う??この移動,最初はともかく,だんだん悩ましくなります。欲しい果物に止まるのがなかなか思うとおりにはいきません。

フィンカ

環の中央を横切るラインがあり,それを駒が通過する度に,中央の荷馬車タイルがもらえます。このタイルを使うと収穫した果物を集会場に運搬して得点を得ることができます。

フィンカ

こうしてたくさんの果物がたまっていきます。青いチップはボーナスチップ,ゲーム中一度だけ使えるおまけチップです。最後まで使わなければ各2点になるので,これをどうするかも結構悩みます。さて,そろそろ配達をしたいところですが。

フィンカ

配達は,各農場に積まれているタイルの一番上の需要を満たすように果物を準備します。合計で6個まで運べ,荷馬車タイルを1枚使います。4個のレモンと2個のオレンジを配達することにしました。この配達するタイルの数字がそのまま勝利点です。

フィンカ

配達をして果物の配達タイルを集めます。1〜6まであり,全種類そろえるとボーナスタイルももらえます。今回,巡りが悪く,ボーナスタイルを獲得できずに点数が伸び悩み,苦しかったです。これは是非そろえてボーナスはとらないといけないですね。しかも早いほど高得点です。

フィンカ

農場の果物需要タイルの横にあるのが,もう一つのボーナスチップ。一つの農場の需要タイルが全て取られると,その時点で配達した果物の数が一番多いプレーヤーにそのボーナスチップが渡ります。なので,最後の需要タイルで果物を配達するときは,その後のボーナスチップが誰にいくのかもかなり重要になります。自分で取れれば文句なしですが,泣く泣く人手に渡るのを覚悟で配達することもしばしば・・・。そして全てのタイルがなくなると,木の集会場駒が置かれてその農場は役目終了。4人ゲームでは,これが6個置かれてゲーム終了です。残り4つの農場は最後まで進まないので,どこの農場の需要に応えて,ボーナスチップを取れるのか,かなり厳しい駆け引きがあります。

フィンカ

今回,どうしても1の需要タイルだけ,簡単なはずなのに手に入らず。最初に何枚かは使われずに無駄になっているので,1のタイルが少なかったようです。ボーナスチップもオレンジの1枚だけ。これでは点が伸びません。

フィンカ

あれよあれよと集荷場駒が置かれてゲーム終了。右家の緑が実に効率よく配達をし,ボーナスタイルで得点を伸ばして勝利。自分は同点3位=最下位という情けなさで終わってしまいました。うーん,くやしい・・・。

これは自分の好きなゲームの一つです。果物駒の楽しい雰囲気とは裏腹に,結構厳しい戦いを楽しむことができます。互いの情報は分かるので,どの果物を配達して得点を稼ぎ,さらにボーナスチップはどうやって取りに行くか,考え出すときりがないので,長考はしないで雰囲気を壊さないように楽しんでいます。毎回果物を取る環も運搬する需要のタイルやボーナスチップもランダムで変わるので,何度やっても同じわけにはいかず,その都度悩ましい展開が待っています。基本,ピックアップ&デリバリーのシンプルなルールの中に,慣れれば30分ぐらいで決着する,楽しい好作品だと思います。ここまで8回ほどプレーして2勝なのが悔しい!?
※2012.5.26

フィンカ(Finca) ゲームデータ

フィンカ
○デザイン Wolfgang Sentker / Ralf zur Linde
○発  表 2009年
○メーカー Hans im Glück
○2〜4人用 約45分
○難易度  中ぐらい
○ドイツ・アマゾンで購入(約17ユーロ)