ボードゲームレビュー


発明の時代 ☆☆☆☆☆☆☆☆ 

あなたは産業革命の時代の優れた発明家です。必要な資源を確保し,技術を組み合わせて新たな発明品を送り出し,その特許や生産で社会的影響力を高めましょう。

発明の時代

ボードの初期状態。いかにも複雑で難しそうです。ボードは,工場,資源の倉庫,資源などの取引交換所,新たな発明を行う場所や発明品の生産を行う場所などに分かれています。基本は,持ち駒3つ(3人プレー時)を,やりたい場所に置いてアクションを進めるワーカープレイスメント的な流れです。やれることは,工場の建設(3つまで),自社工場での生産(全工場),資源の購入(3カ所まで),発明歯車の獲得か資源などの取引(5回まで),新しい商品の発明か商品の特許,発明品の生産(3つまで)から選びます。一つの場所には2人までしか駒を置くことはできません。

発明の時代

上が工場の建設で,5つある工場から一度に3つまで建設できますが,当然コスト=資源も必要でそんなに簡単にいくつも建てられません。ただ,工場があると,いろいろな資源や発明のための歯車(発明アイデアみたいなもの),金貨も製造できるのは実は結構強力でした。下は,いろいろな資源を金貨で直接購入できる場所。金貨1枚で一山の資源を購入でき,一度に最大三山まで買えます。実は工場の建設に欠かせない木材は,なかなか十分に確保できないので,ここで買い占めておきたいところ。

発明の時代

ここが発明歯車=アイデアを使って新しい製品を生み出す場所。電話やレジなどは少しのアイデアで開発できますが,車・機関車・飛行機などはアイデアもたくさん必要です。すでに黄色がレジを発明し,緑は蓄音機を発明しています。オレンジが次の発明を狙って,駒を置いています。左側は,特許の申請数。特許があると,自分が発明した製品を製造した他プレーヤーから得点や金貨が入ります(実際はもう少し細かいルールもありますが)。

発明の時代

工場の生産では,自社工場全てから製品を生産できます。資源だけでなく,発明歯車(一番右)・金貨(左から二つ目)も生産できるのが面白いところ。手前にある黒いトークンは追加アクション用。一度使うとなくなり,アクションで2金貨でまた入手可能です。

発明の時代

発明品を生産できる場所。初めからある初期発明品(自転車やランプなど)に加えて,プレーヤーが発明した品々が加わります。ここではミシンだけ見えます。自分の発明品を他のプレーヤーが生産すると得点や金貨が入ります。(模造品や特許などがからむ処理もありますが)発明品の生産は資源を使って行い,金貨・得点・発明歯車が手に入る重要なアクションです。

発明の時代

全員が置いた駒の分のアクションを行ったら1ラウンド終了。ただし,追加アクショントークンもあって,うまくいけば何回かの追加アクションもできます。3人プレーの場合は9ラウンド行ったらゲーム終了。最後に手持ちの開発歯車や金貨を可能な分得点に換算したり,アイデア賞や工場賞などの得点も加算し,勝者が決まります。

自分は今までにしたことのないテーマを持ったゲームで大変楽しむことができました。考えることは結構複雑ですが,ワーカープレイスメントの方式なので,やりたい場所へ駒を置けばある程度するべきことは固まってしまいます。ただ,そのやりたいことを考えるのがなかなか難しい。どこを中心に進めていくのが勝ちに近いのか。先に資源の購入や工場の建設ができる先手番の方が有利にも思えます。発明や製品の製造でうまく次につながるのかまだまだ分かりません。2回プレーして,2回とも先手番のプレーヤーが勝ちましたが,もう少し違った道筋も考えてみたいと思います。何にしろ,楽しいテーマで,発明した製品が生産場所に登場して喜んだり,模造品をつくられてがっかりしたりと会話も盛り上がる好ゲームです。
※2011.5

発明の時代(Era of Inventions) ゲームデータ

発明の時代
○デザイン Anthony Daamen
○発  表 2010年
○メーカー Huch & Friends
○3〜5人用 約90分
○難易度  少し高い
○ドイツ・アマゾンで購入(約30ユーロ)