ボードゲームレビュー


エルパソ ☆☆☆☆☆☆☆ 

無法者の一味なって西部の街を襲います。行き先には餌食となる7つの街が待っています。たくさんの獲物を奪えるか,それとも保安官の連中がやってくるのが早いか。うまく保安官をかわしながら7つの街を渡り歩き,より多くのお金を稼ごうぜ!

エルパソ

1つ目の街から順番に略奪です。街には6カ所の現場がありますが,街によってはない現場もあります。最初の街には牛牧場がありません。街の現場には袋から引いたタイルが現場ごとに置かれます。手札にはその現場のカードを1枚ずつ。数字はランダムです。スタートプレーヤーは保安官ダイスも用意。

エルパソ

まず自分が略奪したい現場のカードを伏せて1枚置きます。そして,保安官ダイスを振ります。ダイスの目は保安官,酒場,牧場のどれか。保安官の目はだんだん保安官がやってくる感じ,保安官の目はそのままにされます。酒場と牛牧場の目はこれらが出ないとその現場の略奪ができなくなります。

エルパソ

まだ保安官は一人,大丈夫。酒場もあります。牛牧場は現場自体がないので関係なし。ここで,各自自分の略奪現場のカードをオープン。同じ現場のカードなら大きい順に上からタイルを取っていきます(タイルは数字の小さい順!)。自分は銀行,後の二人は金鉱。それぞれチップを獲得。ただし,まだ自分の得点となったわけではありません。

エルパソ

ダイスを振った結果,すべて保安官になってしまったら,その街の略奪は失敗し,奪ったものも取り返されてしまいます。このラウンドでさらに保安官二人がでてしまい,残るダイスは1個。そろそろ危ないです。潮時ですね。

エルパソ

全てが保安官になる前に略奪物を確保して街から出て行く必要があります。そのためには各街に記されているレートで略奪物を金塊に交換しなくてはなりません。しかも,略奪物のチップは街を出る順で密かに持って行ける枚数が1枚−2枚・・となります。最初の街のレートは4:1,略奪物4点分で1個の金塊です。金塊3個と隠し持つチップ1枚で街を脱出することにしました。全員が脱出するか保安官にやられるまで続きます。

エルパソ

そして第2の街へ。この町には金鉱がなく,金鉱だけは1:1レートで金塊に交換できるのです。だから,本当はさっきの街で金塊を取って,1枚ここへ持ってくるのが良かったのです。全然考えてませんでした・・・。また,現場に置かれる略奪のチップは毎回ランダムなので多い少ないや価値のばらつきもあります。

エルパソ

ここが第3の街。ここには馬牧場と酒場がありません。それらのタイルは等価で金塊にできます。ここまでみんなうまいタイミングで街を出て,取り損ないもなく来ていて接戦です。

エルパソ

街は4カ所目。そういえばカードの種類がまちまちですが,カードの補充はどこでも好きなところから取れます。現場1枚ずつとは限りません。また,捨て札の順番を変えてはいけないのでその気になればカードの数値を覚えておけそうですが,まあそこまでしません。

エルパソ

そしてここが最後の街エルパソ,人間駒を移動し忘れていますが,一番右の街です。ここは最後なので保安官に取られる前に脱出することができれば,全てのタイルは1:1交換できるので最後の大チャンスです。そして見事24の金塊を獲得して,略奪王に輝いたのでした!

街から街へ,略奪を繰り返していく無法者の雰囲気を楽しく?味わえる軽快な作品です。ダイスで保安官目がすこしずつ集まってくるのは,じわじわ追い立てられて急がせる感じもでていますし,目次第で略奪に失敗することがあるのもいいアクセントです。取った物もうまく価値ある金塊に変えないと役に立たないのも雰囲気があります。それぞれの街の略奪物の内容もその都度ランダムで,場合によっては1枚しかないなんてこともあるものいいですね。無法者同士,わいわいと牽制し合って盛り上がる楽しい作品です。
※2012.3.24

エルパソ(El Paso) ゲームデータ

エルパソ
○デザイン Stefan Dorra
○発  表 2009年
○メーカー Zoch Verlag
○2〜5人用 約45分
○難易度  やや軽め
○ドイツ・アマゾンで購入(約15ユーロ)