ボードゲームレビュー


 ブルーム・サービス ☆☆☆☆☆☆☆☆ 

魔女の宅急便です。魔女となって,近くの塔へ魔法の薬を配達しましょう。邪魔な雲は妖精の力で取り除きます。たくさん配達したり,雲を取り除いたりして最も得点を稼ぐのはどの魔女?

ブルーム・サービス

 2015年のドイツゲーム大賞,エキスパート部門を制したブルーム・サービスをやっと入手。早速2人でプレイしてみました。一度表面でプレイした後,今回はボードの裏面を使ってのプレイです。これら10枚のカードから毎ラウンド4枚選んでアクションを進めます。

ブルーム・サービス

 ボードの裏面は地域がより細かくなっているほか,緑,茶,灰のタイルがおかれている特別な場所やら,一度入ったら出てこれない地域なんかもあってより楽しそうです。

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 スタートは西の縁のお城,普通に1つずつ隣に行くだけでは,東の縁まで行けそうにないですが。

ブルーム・サービス

 毎ラウンド,イベントカードが捲られます。それほど派手なイベントはありませんが,微妙に左右する感じ。また,2人プレイなので,毎ラウンド3枚の呪われた役割が決まり,それらはプレイするだけで−3点という呪いなのです。

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 カードは,先手の人が1枚選んで出し,貪欲にプレイするか,控えめにプレイするかを宣言。後のプレーヤーは,トリックテイクのマストフォローのように,そのカードを手札に入れていれば必ず出さなくてはなりません。「貪欲で」と宣言したカードを後のプレーヤーに出されて,同じように「貪欲で」と宣言されると,前のプレーヤーは,何のアクションもできません。この互いの読み合いが非常に悩ましくて楽しい。読んで読んで相手は持ってないと踏んで,貪欲でプレイと宣言するのか,確実に相手も持っているに違いないから,ここは控えめにプレイして安全策を取るのか。ここは,薬の配達できるドルイドでしたが,控えめにプレイ。やはり相手も持っていて,相手はもちろん貪欲にプレイ。

ブルーム・サービス

 得点はボード上の塔に薬を運んで直ぐに得られる得点のほか,天気の妖精が取り除いた雲のタイルの稲妻の数で最後に得点があったり,灰色のタイルに関するアミュレットの数などで得られます。雲のタイルの稲妻は大きな得点なので,差が付かないように集めておかないといけません。

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 ボードの裏面の特徴がこの東の方の離れ小島。なぜか,ここの魔女は通常水を渡れないという,ちょっと情けない魔女!?この下のBの地域は茶のトークンの効果で出入りができますが,上のDの地域は他から茶のトークンで入ってきても,もう出る術はありません。

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 緑のトークンは,早い者勝ちで取ると後で一回だけ使える効果が。茶のトークンは,A〜Dまでのボード上の地域に一気に飛ぶ効果が。灰のトークンは,ちょっと良いことができてアミュレットを集める効果が。というようにボードの表面に比べていろいろ楽しみどころがあります。

ブルーム・サービス

 7ラウンドプレイして最終得点計算で終了。今回は,雲の稲妻5本で19点が効いて,相方をわずかに抜いての勝利でした。

 これは大賞の名にふさわしい面白さ。マストフォローのカードプレイのルールが絶妙に機能していて,最初から悩ましいことこの上ありません。10枚あっても,2人プレイだと3枚呪われたカードになるので,カードの選択の難易度がぐっとアップします。ボード上の駒の位置や互いに持っている資源の状況を判断しながら,どのカードでいくと自分だけが貪欲な効果のプレイができるのか,時には−3点承知で呪われたカードをプレイすることも必要。また,カードの出す順番で,予定が狂うことなど常のこと。何人でプレイしても基本同じように楽しめる,かなりお勧めの一作です。人数が多いときは表面で分かりやすく,細かく楽しみたいときは裏面のごちゃごちゃした方で・・・。
※2016.1.23

ブルーム・サービス(Broom Service) ゲームデータ

ブルーム・サービス
○デザイン Andreas Pelikan/Alexander Pfister
○発  表 2015年
○メーカー alea
○2〜5人用 約60分
○難易度  中ぐらい
○ジョイゲームスで購入