ボードゲームレビュー


古代:決戦 ☆☆☆☆☆☆☆ 

 あの古代が二人専用版として登場しました。もともとの古代でも二人対戦できましたが,基本的なシステムはそのままで二人用に特化されています。

古代:決戦

 ボードは若干小さくなりました。片面がローマ対カルタゴ,もう片面がギリシャ対ペルシャというように2通り楽しめます。今回はローマ対カルタゴでプレイ。自分はカルタゴ側です。基本の駒や初期配置をしてスタート。

古代:決戦

 初期配置の都市は産出する資源が決まっていますが,それ以後は産出するものを自分で選べるようになっています。また,都市のマークがついている地域にのみ都市のタイルを設置できます。

古代:決戦

 ロンデルはいつもの通り。一部アクション内容に微妙な差異はありますが,基本的には大元の古代と同じです。

古代:決戦

 さっそく大理石を貯めてから本拠地カルタゴに神殿を建設。産出量が3になり,防御力も3になります。この古代も9枚の人物カードを集めた方が勝利。カードを集める条件は以前と同じです。

古代:決戦

 陸海軍の配置は若干変更あり。まず手元から新兵枠に金を使って置いた後,別のアクションで鉄を使って兵の配置をします。なのでゲームの前半は,軍隊の動きは鈍いです。兵がいないと都市も造れないので,最初の数ターンは国力充実といった感じ。ようやく陸海軍1個ずつカルタゴに配置できたぐらいです。

古代:決戦

 技術力もおおかた同じ。先に高額な金で払うと知識のカードを取ることができます。とりあえず,陸軍2地域進む技術でカード1枚確保。

古代:決戦

 また,新たに防御壁というタイルが加わりました。都市の防御力を1上げます。神殿のアクションで大理石1払って設置可能。使える防御壁の数は,獲得した人物カードの枚数によって増えていきます。

古代:決戦

 今回全く新しいのがイベントカードというもの。敵が人物カードを獲得するか,自分の都市が征服されると見返りのような形で1枚もらえます。それほど大きな効果はないものの,いつでも何枚でも使えるちょっとしたお助けカードです。

古代:決戦

 ようやく船を進め,新たな都市を建設。都市に産出する資源は,ある限り自由に選べます。設置の状況によっては追加の支払いも必要になります。

古代:決戦

 ようやく都市も5つになり,人物カードの2枚目を取った程度,ただ,このあたりから少しずつ展開も大きくなっていきます。一度に得られる資源も多くなっていくので互いにどこへ進むか牽制しあいながらの展開に痺れます。

古代:決戦

 自分はスペインの方へ伸ばし,イタリア西部を伺う状況。相手はイタリア南部から迫ってくるような展開です。二人交互のプレーなので,それほど大きな差がでるわけでなく一進一退の攻防が続きます。

古代:決戦

 攻撃側が防御力以上で攻めてくると都市が制服されてしまいます。最初に都市を造った島は防御をおろそかにしており,危険な状態です。

古代:決戦

 あっさり奪われてしまい,カルタゴへも伺う様子なので,カルタゴの防御力を上げて対応。自分は相手の小さな都市を1つぐらいは攻略しましたが,相手を征服しなくても十分勝利に近づくことができます。お互いカード9枚ずつで,最後の1枚をどちらが早く取るかでしたが,自分が15個目の都市を設立し10枚目のカードを獲得。見事ローマを制し,勝利を得ました。

 元の古代を二人でプレーしたことはないので比べることができませんが,二人での対戦を楽しむにはいいと思います。たぶん,数人でプレーする古代よりもじっくりと進むことと思います。前半は自分の都市の回りから少しずつ広げ,国力充実を図っていきます。この段階では,相手の動きをにらみながらも,それぞれ自分のペースで進めていけます。後半,人物カードもあと2,3枚になり,お互いが接するようになってから,どこに勝利の手がかりを置くかで互いの駆け引きが熱くなります。ただ,広い世界を2人で争うので,それほど激しい攻防はなく,どちらが早く10枚のカードを獲得するか,最後の1,2枚は何を狙いにいくか,スピード勝負です。熱い戦いを楽しむならはやり4人5人でのごちゃごちゃした戦いの方がいいだろうし,じっくり自分の国を発展させていく楽しさを満喫するならこれも良しかなと。あと,イベントカードは,ちょっとしたアクセントにはなっていますが,それほど大きな影響力・効果って訳ではないように今のところ思ってます。
※2013.5.18

古代:決戦(Antike Duellum) ゲームデータ

古代:決戦
○デザイン Mac Gerdts
○発  表 2012年
○メーカー PD-Vertag
○2人用 約75分
○難易度  中ぐらい
○オークションで購入